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蜷川幸雄氏の追悼

合掌

日本を代表する演出家の蜷川 幸雄さんが、
2016年5月12日に亡くなられました。
80歳だったそうです。

実は、私は、一時、演劇にのめりこんで、
恥ずかしながら、その道に憧れていたこともありましたもので
日本いや世界の演劇界の最高峰にいらっしゃるお一人の蜷川氏の死に
心からお悔やみ申し上げる次第でございます。

といいつつ、
蜷川さんの演出作品はTVやDVDでは拝見したことがあるのですが
生で拝見したことはなく、それが残念でなりません。

TVやDVDの鑑賞で、あれこれどうのと言うつもりはないのですが、
藤原竜也さんが新人で抜擢された『身毒丸』と
10時間にも及ぶギリシャ神話をモチーフにした『グリークス』という舞台
の場面、場面は、特に自分の心の中に深く刻まれて残っています。

『身毒丸』は、そもそも寺山修司氏の作演出による「天井桟敷」の舞台ですが
幼くして母をなくした少年と、買われて新たに家にやってきた継母との
愛憎からまりあう不思議な関係を描いた舞台で、
演技経験ゼロの新人にして、蜷川氏に見出された、
藤原竜也さんのデビュー作としても有名ですが、
白石加代子さんの、妖気漂う熟成された佇まいと、
それにまっすぐに挑んでいく、藤原竜也さんのエネルギーがほとばしる演技から
目を離さずにはいられませんでした。

それから、『グリークス』というギリシャ神話をモチーフにした
なんとまあ10時間にも及ぶ三部作からなるお芝居なのですが、
そもそもギリシャ神話ということで、
まず登場人物の名前や関係性を理解できるんだろうかと思っていましたが
意外とするすると頭に入ってきて、
愛と欲望の渦巻くギリシャ神話の世界に入り込むことができました。
そして、やはり、なんといっても役者さんの魅力です。
ギリシャの将軍アガメムノンと神アポロンを演じた平幹二朗さん と
アガメムノンの妻クリュタイムネストラと、神アテナを演じた白石加代子さんの
重厚で圧巻の演技はもちろんのこと
神に呪いをかけられた予言師のカッサンドラを演じた中嶋朋子さん
愛し合う姉弟エレクトラとオレステスを演じた本当の姉弟、寺島しのぶさんと尾上菊五郎さん
の姿は、今もまだ心に焼きついています。
あの10時間に及ぶお芝居と向き合い、
一つの舞台一つの世界に昇華していく、エネルギーというのは
とんでもないものだったと思います。

蜷川氏といえば、灰皿や靴、怒号が飛び交う
厳しい稽古をするということでも有名ですが、
舞台への情熱を燃やし続けた方だったのだと思います。
病床にて、亡くなる前日にも、
これから演出する予定だった舞台の台本が置かれていたそうです。


葬儀は16日に青山葬儀所で営まれたそうです。
ニュースで拝見しましたが、棺をかついだのでしょう、
藤原竜也さん、小栗旬さん、綾野剛さん、松坂桃李さんらが並ぶ姿が
ありましたが、ドラマの一場面を見ているようでしたね。

でも…
失礼を承知で思うのが、
真紅のバラが飾られているとはいっても、
いかにもお葬式(現代のお葬式)らしい祭壇で
ちょっぴり残念だったなあ…と思います。
青山葬儀所の式場の広さ、参列者の数、仏式スタイルなど
物理的な制約、そして、時間的な制約もあったのでしょうが、
世界の演出家として、
いくつもの「生」と「死」を描いてきた演出家として、
お葬式という舞台まで、演出して頂きたかったなあと思ってやみません。
舞台もお葬式も一緒ではありませんか!?
箱と、たくさんの参列者と、たくさんの参列者の向かう視線の先、
巨匠!私はあなたの舞台のようなお葬式が見たかったですよ!

大変失礼を申し上げました。
心からお悔やみ申し上げますとともに、
近しい皆さまの心が安らかであることをお祈り申し上げます。
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